気になる病気と症状辞典

肺気腫の患者さんは風邪で症状が悪化するので予防が大切です

肺気腫とは、酸素と炭酸ガスの交換を行っている肺胞と呼吸細気管支が拡張し、破壊される疾患です。肺胞と肺胞との間の壁が壊れると、いくつもの肺胞が弾力性を失ったひとつの袋のようになります。こうした肺胞の集まり(気腫性嚢胞)がたくさんできた状態を肺気腫といいます。

肺気腫

肺気腫になると肺胞が破壊され、その数が減り、肺がスカスカの状態になります。正常な肺胞が減少し、呼吸面積が減少するため、肺でのガス交換に不都合が生じます。

肺気腫の原因
長い間の喫煙や大気汚染、寒冷などの外的な要因と、体質、年齢などの内的要因、気管支炎などの呼吸器系疾患などが原因としてあげられますが、多くの場合、これらのいくつかが複合して肺気腫を引き起こします。

肺気腫の症状
肺の弾力性が低下すると気道を支える力が失われ、息を吸うときは問題ないのに、吐くときには空気が出にくくなり、努力すればするほど息を吐きにくくなります。

その他の自覚症状としては、咳、痰、痩せなどがあげられます。息切れは、季節変動や、日内変動がそれほど著しくなく、体動時に強くなり、休むと改善します。
咳は、肺気腫に感染症を伴ったり、肺性心になったときなど、急性増悪の時に多く認められます。
痰は、慢性の気道炎症により過剰になった、気道分泌物によるものですが、やはり、急性増悪の時に多く認められます。

肺気腫の診断
息切れや呼吸困難などの症状は他の呼吸器の病気でも現れる症状なので、肺気腫かどうかを調べるために、胸部X線検査肺機能検査を行います。

肺機能検査で努力性肺活量(胸いっぱいに息を吸い込み、最大の速さで一気に吐き出した空気の量)に対する1秒量の比率(=1秒率)が70%以下の場合、肺気腫の疑いがあります。
心臓の検査では異常がなく、胸部X線検査でも異常な陰影が写らない場合にも、肺気腫が疑われます。さらに詳しく調べるためにCT検査を行うこともあります。

肺気腫の治療
肺気腫を治す薬はありません。したがって、病気の進行を食い止めることが治療の目的となります。そこで一番の治療法は禁煙です。
薬物療法では、痰をとるための薬や気管支を広げるための薬などを用います。
そのほか、酸素療法、呼吸リハビリテーション、外科的肺容量縮小術などがあります。
体重が減少している患者さんに対しては、食事療法や栄養補給指導などが行われます。

肺気腫の患者さんは風邪を引くと症状が悪化するので、予防が重要になります。流行の有無に関係なく、インフルエンザワクチンは必ず接種しましょう。最近は肺炎球菌ワクチンもあります。呼吸器科専門医に相談するとよいでしょう。


 
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