気になる病気と症状辞典

視界に膜かカーテンがかかったようになり、視野の一部が見えない状態

網膜の膜の構造は二重になっています。硝子体の側にある神経層と、脳の側にある色素上皮細胞層が組み合わされています。この神経層が色素上皮細胞層と離れてしまって硝子体の中に入り込んでしまうものが網膜剥離です。

白い部分が剥がれた網膜です

網膜剥離が起こると、その部分の視細胞は色素上皮細胞から栄養をうけることができなくなり、機能が著しく低下します。視細胞そのものにはもとに戻る再生力があるので、網膜が元どおりの状態に回復すれば機能が戻ります。

突発性に起こる場合と、外傷やぶどう膜炎、妊娠中毒症、糖尿病などの病気に引き続いて起こる場合とがあります。突発性の場合は、禁止のことが多いとされています。
突発性のものはできるだけ早く手術しなければなりません。特に急に視力が低下したときは、急いで受診しなければならない危険な病気です。

「キャプテン翼」に出てくるロベルト(大空翼の恩師・ロベルト本郷)がこの病気を患っていたので、昭和50年代生まれの方は、かなり小さい頃からこの病気を知っていたと思われます(笑)。

網膜剥離の症状
初期症状の一つは、飛蚊症の一種でもあり、目の前に虫やごみに見えるものがちらつくように感じます。閃光とかちらちらする光など、実際には存在しない光が視界に走るようにもなることもあります。内部的にみると、これらは網膜に穴が開いてきた時期に相当します。

さらに病気が進んで網膜の剥離が始まると、剥がれた分だけ視界に膜かカーテンがかかったようになり、視野の一部が見えない状態になってしまいます。視力の低下も起こってきて、放置すると失明にいたります。初期症状をあまり意識せず、あるとき不意に視野が欠け視力が落ちて驚く、という経過をたどる人も少なくありません。

網膜剥離の治療
軽度の場合は、レーザー光線で孔のまわりを焼き固めます。進行している場合は入院しての手術が必要となります。手術には、眼球の外から治す経強膜法(バックリング)か硝子体手術がありますが、最近は硝子体手術の割合が増えてきています。
硝子体手術による方法は、硝子体を完全に切除したのち眼内を空気におきかえ、網膜裂孔をレーザー光凝固あるいは眼外から冷凍凝固します。

一般に手術の前後は一定期間の安静が必要です。また他眼にも同様な変化が起こることが多いので、必ず他眼を調べて網膜の穴などがあったら、光凝固で処置して、網膜剥離の発生を予防することが大切です。

なお、はがれたまま放置すると、網膜に栄養が行き渡らなくなり、手術をしても回復が見込めない場合もあります。


 
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