気になる病気と症状辞典

悪性腫瘍の場合も基本的には外科手術によって腫瘍を摘出します

脳腫瘍とは、頭蓋骨の内部に発生する腫瘍の総称で、悪性と良性があります。悪性腫瘍は、周辺の正常組織との境界が不明瞭で、増殖する速度が速く、反対に、良性腫瘍は周辺との境界が明瞭で、ゆっくりと進行します。
また、脳の細胞組織そのもの(脳実質)から生じた腫瘍は多くが悪性で、そのほかの脳を包む髄膜、脳下垂体、脳から直接出る末梢神経を包む鞘(ミエリン)などに発生した場合は、ほとんどが良性です。

矢印の部分に腫瘍が認められます

頭蓋骨内から発生した腫瘍を原発性脳腫瘍、ほかの部位に発生した悪性腫瘍が頭蓋骨に転移した場合を転移性嚢腫瘍といいます原発性脳腫瘍が脳以外に転移することはほとんどありません。
脳腫瘍には多くの種類があります。頻度が高いのは、次のようなものです。

  • 神経膠腫(グリオーマ)…脳実質から発生する悪性腫瘍です。脳腫瘍全体の4分の1、子どのもの脳腫瘍の3分の2を占めます。成人では大脳に、子供では小脳や脳幹に生じることが多いものです。
  • 髄膜腫…脳を覆っている髄膜から発生する良性の腫瘍です。
  • 下垂体腺種…ホルモン分泌に関わる脳下垂体に生じる良性腫瘍です。
  • 神経鞘腫…脳神経を包む鞘に発生する良性腫瘍です。95%が聴神経に生じるため聴神経腫瘍とも呼ばれています。

脳腫瘍の症状
腫瘍が大きくなって頭蓋骨が圧迫されて出る一般症状と、腫瘍が発生した部位が障害されて出る局所症状があります。どちらも段々悪化します。

一般症状の代表的なものが頭痛や嘔吐です。頭痛は寝起きに多く出て、それに嘔吐が併発することが多いのです。そのほか、痙攣や意識障害などがあります。
局所症状はさまざなまのがあります。主なものとしては運動まひ、知覚・言語・視力・聴力・平衡感覚障害などです。このほかにもてんかんや顔の麻痺などが起こる場合もあります。

脳腫瘍の治療
治療法は、腫瘍ができている場所や性質によって異なります。良性腫瘍の場合は、外科手術で腫瘍を摘出します。摘出しきれない良性腫瘍や神経鞘腫、髄膜腫は、ガンマナイフ(開頭せずに、脳深部の病巣に集中的に放射線を照射する方法)を用いることで、ほとんどが治癒できます。

悪性腫瘍の場合も基本的には外科手術によって腫瘍を摘出しますが、補助的に、ガンマナイフなどの放射線療法、抗がん剤による化学療法、免疫療法などを行ないます。ただし、こうした治療を行なっても、悪性腫瘍の予後はあまりよくありません。


 
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