気になる病気と症状辞典

循環器の病気のリスト

循環器の病気は、心臓と全身に血液を送りだしている動脈、全身から心臓に血液を戻している静脈、そして肺動脈に関係した病気のことをいいます。生命活動に必要不可欠な酸素や栄養を運んでいる心臓と血管は、水道のポンプと水道管の役目に例えられ、循環器に疾患が起こると生命に関わる重大な事態を引き起こしかねません。

循環器の病気について

循環器の病気の多くは、加齢に伴い発症するため「成人病」と呼ばれていましたが、近年では、発症時期の若年齢化が進んだため、食生活や喫煙・アルコール、運動などの「生活習慣」の乱れが大きな要素として注目されるようになり、「生活習慣病」と呼ばれるようになりました。循環器の病気の特徴を理解し、生活習慣を改善することは、循環器の病気の予防にきわめて有効とされています。

  • 狭心症…冠状動脈が狭くなり、必要な血液がそこから先に送れない状態が狭心症です。
  • 心筋梗塞…心筋が酸素不足になって壊死し、はたらかなくなった状態です。
  • 心不全…心臓の機能が低下して、臓器に血液を十分に提供できなくなった状態です。
  • 急性心膜炎…心臓の一番外を覆っている心膜に炎症が起きた状態です。
  • 心筋炎…心筋に炎症が起こり、心筋細胞がおかされる病気です。
  • 動脈硬化症…動脈の血管壁が弾力を失い、血液がスムーズに流れなくなった状態です。
  • 突発性心筋症…原因不明の心臓肥大または拡大が起こる心筋の病気の総称です。
  • 心臓弁膜症…心臓の弁が変形したり、動きが悪くなって障害が起きてくる病気です。
  • 血栓症…血栓が血管をふさぎ、血流が滞ると、さまざまな病気を引き起こします。
  • 大動脈瘤…放置すると、風船のように膨れて、表面が薄くなり、破裂しやすくなります。
  • 不整脈…心臓の収縮・拡張リズムが遅くなったり、間隔が乱れたりするものです。
  • 高血圧症…高血圧は脳卒中、心臓病、腎障害など重大な病気の危険因子になります。
  • 低血圧症…高血圧症とはちがって、身体に重大な影響を及ぼすことはありません。
  • 肺動脈血栓塞栓症…肺動脈に、血栓や脂肪、腫瘍細胞のかたまりが詰まった状態です。
  • バージャー病…四肢の細い動脈に炎症が起き、血栓ができて、内腔が塞がる病気です。
  • 下肢静脈瘤…下肢の表在静脈の血液が滞り、足の血管が浮き上がって見えるものです。

狭心症

冠状動脈が詰まったり、狭くなったりすると心筋への血流が不足(虚血)して、心筋は酸欠状態になります。こういう状態を虚血性心疾患といいますが、狭心症もその一つです。
原因はいろいろですが、最も多いのが冠状動脈の動脈硬化がもとで起こる血管内腔の狭窄や閉塞です。狭心症の場合は、特有の胸痛発作があって、虚血心筋から痛みを発生する代謝性物質が出て心臓の神経を刺激し、その刺激が、脊髄に入って脳に伝達され、痛みを感じものと、考えられています。

狭心症には、階段を昇ったり、極度の緊張時に発作が起こる労作性狭心症と、早朝・夜間などに発症する安静時狭心症がありますが、大半は労作性です。
狭心症は直接の死亡原因にはなりませんが、心筋梗塞へ移行すると生命にかかわります。

狭心症の症状
狭心痛の発作が繰り返し起こります。狭心痛は前胸部、特に胸の中央から喉にかけて、あるいは左乳房の下方を中心に、左肩、左腕、左胸、みぞおち、喉や背中などに圧迫されるような、あるいは息が詰まるような鈍痛として感じられます。
表面よりむしろ深く感じることが多く、数十秒ないし数十分持続してからおさまります。

痛みはごく軽いものから強く鋭いものまでいろいろありますが、普通は持続的な痛みで、刺すような痛みのものはほとんどありません。痛みの強さは、病気の重さとは直接関係ありませんが、強い発作では胸をかきむしるようにして苦しみ、呼吸困難を生じて、意識を失う場合もあります。

狭心症の治療
治療の主な目的は、発作が再び起こらないようにすることです。まず、狭心症の大きな要因である高血圧、高脂血症糖尿病、喫煙などの生活習慣病から改善していく必要があります。
それと併せて薬物療法を行いますが、それでも効果がない場合はや症状によっては冠状動脈形成術や手術が行われます。

薬物療法
発作が起きたばかりのときは即効性硝酸薬(ニトログリセリンなど)を使用します。
これは冠状動脈を拡張させる作用のある薬で、下の裏に含んで唾液で溶かし、粘膜から血液に成分を吸収させるものです。

発作予防薬として、労作性狭心症の場合は、心臓の働きを抑え、心筋の酸素需要を減らすβ(ベータ)遮断剤、安静時狭心症には冠状動脈を拡張させるカルシウム拮抗薬を内服します。

冠状動脈形成術
冠状動脈にカテーテルという管を入れて、狭窄部分でバルーンを膨らませて内腔を広げたり、ステントいう金属製のコイル状の筒を植え込んで血管内を拡張したりします。

外科的療法
胸の裏側の動脈や足の静脈の一部をとって冠状動脈のバイパスとして使う手術を行います。冠状動脈形成術ができない人に行います。

心筋梗塞

心筋に血液を送っている冠状動脈が閉塞して心臓の筋肉返しを起こすために生じます。50歳以降の男性に多く、死に至ることもある大変危険な病気です。よく原因となるのは、冠動脈硬化症で、高血圧糖尿病高脂血症などが冠動脈硬化を引き起こす原因になります。

耐え難い胸痛が主症状です

また、心臓弁膜症や心房細動のある人では、心臓の弁などにできた血栓がはがれて流れていき、冠動脈に詰まって心筋梗塞を起こす場合もあります。

心筋梗塞の症状
ほとんどの場合に胸痛があります。それも、締めつけられるような痛さや、焼け火箸を突っ込まれたような痛さ、圧迫感などがあり、狭心症の場合よりも長く続きます。通常は1〜2時間、場合によっては翌日まで痛みが続きます。

痛みの場所の多くは胸の中央ですが、左寄りで心臓の鼓動を感じる部分や、左胸、左肩、背中、首、左腕、みぞおちなどに感じる場合もあります。脈拍が弱くなったり乱れたりすることが多く、危険な不整脈もあります。

心臓の鼓動や呼吸に関係なく、次第に顔色が悪くなり、手足が冷たく、吐き気や冷や汗を伴い、便意を催すこともよくあります。重症の場合には呼吸困難のために寝ていられず、泡の混じった痰を出して苦しむ肺水腫を起こしたり、意識も混濁してショック状態に陥ることもあります。

心筋梗塞の治療
心筋の壊死を最小限に食い止め、ショックや心不全に至らないようにするための救急処置が必要になります。それには発作後、ただちにCCU(冠動脈疾患用集中治療室)のある病院へ搬送することが望まれます。

急性期治療では、冠動脈を拡張させるための即効性硝酸薬(ニトログリセリンなど)を服用します。併せて、詰まった血栓を溶かすために血栓溶解薬を静脈注射し、血流再開を促す方法(冠動脈内血栓溶解療法)や経皮的冠動脈形成術(PTCA)などが行われます。

急性期を乗り越えたら、再発防止のために、持続性硝酸薬、β-遮断薬、カルシウム拮抗薬、抗血小板薬などを用いた治療が行われます。数日間の安静後、ベッドで起き上がったり、椅子に座ったりする軽いリハビリテーションからはじめ、徐々に運動量を増やしていきます。

心不全

心臓のポンプ機能が低下して、臓器が必要としている血液を十分に提供できなくなった状態です。この状態が急激に起こる場合を急性心不全といい、心臓機能が徐々に低下していく場合を慢性心不全といいます。

最重症例では心臓移植が行われます

急性心不全
血液が流れず心筋がはたらかなくなる心筋梗塞などの急性の病気が原因となって、それまで症状がなかった人に呼吸困難などの心不全の症状が現れるものです。

慢性心不全
弁の動きが悪くなる心臓弁膜症や心筋の収縮力が低下する心筋症などが原因となって心臓のはたらきが低下し、運動時の動悸、息切れ、呼吸困難や足のむくみなどの症状が慢性的に持続するものです。

心不全の症状
心不全は、左心室と右心室のどちらかのはたらきが主に低下するかによって、左心不全(左心室のはたらきが低下する)と、右心不全(右心室のはたらきが低下する)に分類することができます。

左心不全では左心室から血液を送り出すはたらきが悪くなるので、その手前に位置する左心房や肺静脈に血液の停滞(うっ血)が起こります。肺にうっ血が起こると、吸い込んだ酸素が肺から血液中に十分入っていかないため、血液中の酸素濃度が低下して呼吸困難がおきます。

右心不全では、右心室の手前に位置する右心房や、全身から心臓へ戻る静脈(体静脈)にうっ血が起こります。そのため、むくみや、腹部膨満感がみられます。

心不全の治療
急性の場合は入院してただちに酸素吸入を行ない、薬物療法としてモルヒネ、利尿剤、強心剤、血管拡張剤などを用い、うっ血を除去する各種の処置をします。薬が無効な場合は、補助循環などの外科的治療も考えられます。

慢性の場合は水と塩の制限をしたり、心室の収縮力を強めるジキタリスという強心剤を使用します。また、利尿剤や血管拡張剤、β(ベータ)遮断剤も有効です。最重症例では心臓移植が行われます。

心筋炎

心臓の筋肉、すなわち心筋に炎症を生じる病気で、心臓の収縮力が弱まるために機能が低下し、ときには生命にかかわる危険な状態に陥ることもあります。リウマチ熱、慢性関節リウマチ全身性エリテマトーデスサルコイドーシス、強皮症などから二次的に発病することがあります。
また、インフルエンザやコクサッキーウイルスによるウイルス性のものが、近年はとくに目立っています。

心筋炎の症状
ウイルス性心筋炎では、発熱、咳、のどの痛みといった風邪の症状や、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状が起こり、数日後に、呼吸困難、胸痛、むくみなどの心臓症状が現れます。胸痛は合併する心膜炎の症状で、息を吸うときに痛く、前かがみの姿勢ではやわらぐのが特徴です。

症状が激しい急性期には、心不全不整脈も起こり、重症になると生命にかかわることもあります。重症の不整脈では、動悸やめまい、失神も起こります。

心筋炎の治療
自覚症状もないまま自然に治ってしまう軽症例から、数日から数週のうちに、急性心不全、または房室ブロックその他の不整脈で亡くなる劇症例までさまざまで、治療法も異なってきます。

まず、原因となっている病気の治療をします。感染症ならば、その細菌に効果のある抗生物質を用います。ウイルスの場合は、有効な抗生物質がないので、床につき、栄養を十分にとって、全身状態の改善に努めます。

心筋炎の症状が起これば、この段階で設備の整った病院に入院し、心臓専門医による治療を受けなければなりません。うっ血性心不全、房室ブロック、不整脈に対する治療が必要となるからです。

動脈硬化症

動脈硬化症とは、本来はしなやかで弾力のある動脈の血管壁が硬く厚くなって弾力を失い、血液がスムーズに流れなくなった状態をいいます。
動脈硬化を促進する要因としては、高血圧症、高脂血症、喫煙、肥満、糖尿病、痛風、遺伝、ストレス、運動不足、加齢などが上げられますが、その中でも高血圧症、高脂血症、喫煙は3大危険因子と呼ばれており注意が必要です。
動脈硬化症は、動脈へ期に生じる病変によって3つのタイプがあります

血管壁が硬く厚くなり弾力を失います

アテローム硬化
内膜にコレステロールを主成分とする脂質が沈着して内膜が厚くなり、粥状(アテローム)硬化ができて血管の内腔が狭くなる状態です。比較的大きな欠陥に起こりやすく、狭心症心筋梗塞脳梗塞大動脈瘤などを引き起こします。

メンケベルグ硬化
動脈の中膜にカルシウムが溜まって石のように硬くなる石灰化がおこるもので、下肢の動脈に起こりやすい硬化です。病気を誘発することはほとんどありません。

細動脈硬化
主に高血圧による影響で、動脈の内膜・中膜が厚くなり、血管壁全体がもろくなって、破れやすくなります。脳や腎臓の細い血管に起こりやすい硬化です。

動脈硬化症の症状
動脈硬化症自体には症状がありませんが、進行して合併症を引き起こすとさまざまな症状が現れます。たとえば、脳の動脈硬化では初期や頭痛やめまい、物忘れなどがみられ、さらに進行すると脳出血や脳梗塞を引き起こして意識障害といった重大な症状が現れます。

また、心臓の冠動脈に起きた場合には、階段の昇降時に締め付けられるような胸痛が現れます。これが狭心症で、さらに動脈硬化が進んで血栓などにより血液がほとんど途絶えると、心筋が壊死する心筋梗塞を引き起こします。

動脈硬化症の診断
まず血圧測定やコレステロール、中性脂肪、血糖などの検査で動脈硬化がどの程度進んでいるかを調べます。さらに動脈硬化が進行して症状があらわれている場合には、眼底検査や頭部CT、心電図、心臓超音波(心エコー)など障害のおきている臓器を詳しく調べます。

動脈硬化症の治療
残念ながら、動脈硬化の起こってしまった血管を元に戻すことはできませんので、動脈硬化の進行をできるだけくい止めて、悪化しないようにするのが治療の全てです。
血圧を下げ、禁煙をし、高脂血症や糖尿病を改善することは、動脈硬化を防ぐうえで効果があります。

基本的には高エネルギー・高脂肪食品を抑える食事療法、適度な運動を定期的に続ける運動療法を行ないます。また、ストレスは血圧を上げたりコレステロールを増加させます。ストレスをためないように運動や趣味でなどで発散するように心がけましょう。
高血圧症や高脂血症が改善されない場合は、必要に応じて、薬物療法を行ないます。

大動脈瘤

動脈硬化などの影響で、動脈の中膜の一部が脆弱になっているところへ、強い血圧がかかると、そこがこぶのように膨らみます。こうしたこぶは大動脈にできやすく、大動脈瘤と呼ばれています。

腹部にできた大動脈瘤です

大動脈瘤は放置すると、風船のように膨れて、表面が薄くなり、破裂しやすくなります。
通常、動脈瘤があってもほとんど無症状ですが、破裂すると大出血を起こし、生命に関わる危険性があります。大動脈瘤にはその場所により、胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤に分類できます。

胸部大動脈瘤
先天性の大動脈壁の変性や、動脈硬化あるいは胸部の外傷や動脈壁の炎症が原因となります。
初期のうちは自覚症状はありませんが、動脈瘤が大きくなってほかの器官を圧迫すると、さまざまな症状が出てきます。声帯の神経が押されると声がかれ、気管支が押されると咳や痰が出ます。
胸部大動脈瘤が破裂した場合は、激しい胸の痛みや呼吸困難、喀血、血痰などが起きて、血圧が低下してショック状態になります。

自覚症状のない間は様子を見ますが、ほかの器官を圧迫して新たな症状が出るようになったり、こぶが6cm以上に拡大すれば、動脈瘤ができている動脈を切除する手術を行ないます。

腹部大動脈瘤
腹部の大動脈にできた動脈瘤で、動脈硬化が原因の場合が増えています。初期は痛みや咳などの自覚症状こそありませんが、こぶが大きくなってほかの器官を圧迫すると腰椎を圧迫し、腰痛が起きます。胸部の場合と同様に、大きさが6cm以上になれば破裂の危険性が高まりますので、手術を行ないます。

大動脈瘤の診断
胸部大動脈瘤の有無は、胸部X線検査で調べることができます。ただし、心臓の影の裏に動脈瘤がある場合には見逃されることがあるので、正面と側面から胸部X線写真をとることによって、胸部大動脈の拡大の有無をチェックします。
さらに、胸部大動脈の正確な径を知るために、胸部CT検査が行われます。

腹部大動脈瘤の有無は、腹部超音波検査や腹部CT検査によって知ることができます。
健診で腹部超音波検査を行う場合、肝臓や胆嚢は調べても腹部大動脈は調べないことがあるので、腹部大動脈瘤が見逃されることがあります。腹部超音波検査の時には、腹部大動脈も診てもらう必要があります。

高血圧症

全身に血液を送るためには心臓が送り出す血液にかなりの圧力をかけることになります。
この圧力で血管の壁にかかる力を血圧といいます。血圧は1日の間だけでも運動や食事などによる血流量の増加や、ストレスなどの感情の動揺による血管の収縮などで上下します。

本態性と二次性の2つのタイプがあります

なんらかの原因で、血圧の調節機能に障害が起これば、高血圧や低血圧という慢性的な症状を表わすことになります。高血圧とは、WHO(世界保健機関)の基準数値によると、最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上の両方、またはどちらかが高い状態をいいます。
高血圧症には、原因となる病気がある「二次性高血圧症」と、原因を特定できない「本態性高血圧症」の2種類があり、日本では本態性高血圧症が9割以上を占めています。

注意しなければならないのは、高血圧を放置すると、さまざまな合併症を併発するということです。高血圧は脳卒中、心臓病、腎障害など重大な病気の危険因子になります。
例え症状がなくても、検査などで高血圧を指摘されたら、きちんと治療しなければなりません。

高血圧症の原因
本態性高血圧症では、血圧を上昇させやすい要因は遺伝や加齢、塩分の摂り過ぎ、過度の飲酒、肥満、ストレスなどが考えられます。
一方、二次性高血圧症の原因となる病気で最も多いのは、急性腎炎、慢性腎炎、腎盂腎炎などの腎臓の病気で、これらを腎性高血圧といいます。

また、腎臓へ行く血管が細くなることで起こる腎血管性高血圧、大動脈炎症候群などや心臓の弁あるいは血管の病気から起こる心臓血管性高血圧もあります。
そのほか、クッシング症候群褐色細胞腫など内分泌系の病気から起こる内分泌性高血圧、脳血管の病気や脳腫瘍などが原因で起こる神経性高血圧があります。

高血圧症の症状
高血圧症自体の症状は、本人が気づかないことがほとんどです。症状が現れるのは血圧が高くなりはじめた初期段階で、頭痛、めまい、肩こり、手足のしびれ、動悸、耳鳴り、疲れやすいなどです。
この初期症状もしばらく時間がたつと軽くなってくるので本人は安心しがちですが、急に血圧が上昇して激しい頭痛や吐き気、嘔吐が起こることもしばしばあります。
こういった症状が現れてくると、脳梗塞脳出血狭心症心筋梗塞、腎疾患などの病気を起こしやすくなります。

高血圧症の治療
本態性高血圧症では、塩分を控えるなどの食事療法や、肥満を解消するために適度な運動を行なう運動療法などを合わせて行ない、生活習慣を改善する必要があります。それでも血圧に変化がみられない場合は、降圧薬を用います。

高血圧のリスク分類の高リスク群(最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上で、糖尿病、臓器障害、心血管病のいずれかがある)では、ただちに治療を開始する必要があります。

二次性高血圧症では、原因となっている病気の治療を優先的の行ないます。手術治療できる病気であれば、手術によって高血圧も同時に改善します。

不整脈

心臓は、微弱な電気刺激により1分間60〜90回の規則正しい収縮と拡張を繰り返します。
このリズムが速くなったり、遅くなったり、間隔が乱れたりするものが不整脈で、電気刺激の生成異常によるものと、それを伝える興奮伝導の異常によるものとがあります。
前者は1分間100以上の頻脈性不整脈、後者の多くと前者の一部は1分間40以下の徐脈性不整脈です。

心電図

不整脈はさらに期外収縮、発作性頻脈症、心房細動、心房粗動、洞不全症候群、房室ブロックの6つに大別されます。それぞれの詳細は以下の通りです。

期外収縮
脈が途切れたり、リズムが速くなったりするものです。心臓が一瞬止まったり、脈が飛んだりするのがこれで、健康な人にもよくみられます。

発作性頻脈症
突然、脈が1分間に150〜200回という異常な速さで打つものです。心臓がドキドキし、冷や汗や胸の苦しさなどの自覚症状がみられます。

心房細動
細動とは、筋肉が細かく不規則に震えている状態をいいます。心房細動とは、まさに心房の筋肉がそのような状態になっています。
症状としては、脈が多くなったり少なくなったりとリズムが乱れ、動悸や胸部に不快感が起こります。

また、心房は細動のために正常に収縮できず、血液を十分取り込みにくくなります。
したがって、心臓の機能が低下して、心不全を起こしやすい状態になります。
さらに、心房内の血流が悪くなるため血液が溜まりやすくなり、血栓ができることがあります。
これが全身の血管に流れて移動すると脳梗塞などを起こすこともあります。

心房粗動
粗動とは、筋肉が粗く規則的に収縮している状態で、心房粗動では心房が1分間に約300回も収縮しています。そのため、動悸や胸部の不快感が現れます。
多くの場合、異常に速いリズムは半分あるいは4分の1程度になって心室に伝えられます。この場合は、あまり症状がありません。

房室ブロック
房室ブロックでは、心房の正常な収縮のリズムが心室に上手く伝わらず、全身に血液を送る心室のリズムが遅くなったり、停止したりします。
その程度は、軽いものから重症のものまで、1度〜3度と分類されています。
1度程度の軽いものでは症状はほとんどありませんが、進行すると動悸などが現れます。
3度になると、リズムが1分間に30〜40回以下と極めて遅くなります。リズムが一時停止することによって、脳への血流が途絶え、失神したり、めまいを起こしたりします。

洞不全症候群
右心房の一番上の方のには、洞結節とう非常に小さな組織があります。心臓のリズムは、洞結節から心房を通って心臓全体に伝えられます。ですから、洞結節は心臓のリズムを支配している司令部のようなものといえます。
この洞結節と周辺部に障害が起こった状態が洞不全症候群です。症状は、上記の房室ブロックとほぼ同じです。

不整脈の診断
不整脈は、手首で脈に触れてもおおよそわかりますが、正確な診断は心電図検査を行なって診断します。それで異常が確認できなれければ、24時間携帯するホルター心電図や負荷心電図検査を行ないます。
また、血圧測定や胸部X線検査、心臓超音波検査などを行なって、原因となる弁膜症などの疾患の有無を調べます。

低血圧症

低血圧とは、最高血圧が100mmHg未満のものをいいます。低血圧は高血圧症とはちがって、身体に重大な影響を及ぼすことはありません。ただ低血圧による症状が強く現れてくる場合や、急性の低血圧が起こった場合は医師の診察を受けるようにします。
とくに症状がない場合は、病的な低血圧症とはいえません。

寝起きが悪く、倦怠感などが現れます

低血圧症には、いつも血圧が低い慢性低血圧症と立ち上がったときだけ低くなる起立性低血圧症があります。さらに、慢性低血圧症のほうは、本体性低血圧症と症候性低血圧症(二次性低血圧症)の2つに分かれます。

本体性低血圧症
血圧を低下させている原因がはっきりとわからないタイプです。若い女性で、痩せ型の人に多く見られます。無症状のこともありますが、めまいや倦怠感、動悸、立ちくらみ、食欲不振、肩こり、冷え性などの症状のほか、寝起きが悪い、朝は元気が出ないと訴える人もいます。

普通は治療の必要はありません。ただ、低血圧症を治したいと考えている人は、食事や睡眠、排便などを規則的にするなど、日常生活を変えることです。

症候性低血圧症
血圧低下の原因となる病気がはっきりわかっているものをいいます。急性の場合はショック症状や意識障害、四肢の痺れなどが起こります。慢性の場合は、めまいや倦怠感など本体性低血圧症と似たような症状が現れます。

原因としては、急性の場合は心臓病や肺疾患、脳・神経の病気、重い外傷などが原因となります。
慢性の場合は、心臓病をはじめ、甲状腺機能低下症、薬(降圧薬や抗うつ薬)の副作用があげられます。

急性低血圧の場合は救急処置が必要になります。また、急性・慢性とも、原因になる病気の治療を行なうことで、血圧低下も解消されます。

起立性低血圧症
急に立ち上がったときに、重力で下半身に流れた血液がそのまま心臓に戻らずに血圧が下がってしまうものです。めまいや立ちくらみ、気が遠くなる感じなどの症状が主に現れます。

原因となる病気がある場合と、ない場合があります。原因となる病気としては、自立神経や心臓、内分泌気管によるものがあります。
日常生活では水分をとり、全身運動を心がけましょう。また、急に立ち上がらないことも大切です。下半身に血液が流れすぎないようにする医療用ストッキングを着用するのも有効です。

自律神経の機能障害による場合は、心理的な要因が関わっていることが多いので、自律訓練法などのリラクゼーション法を用いる場合もあります。


 
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