気になる病気と症状辞典

男性の病気のリスト

男性の生殖器は、外から見える陰茎、陰嚢などの外性器と、体内にある精巣、精嚢、前立腺などの内性器で成り立っています。内性器は、男性ホルモンを算出するほか、精子をつくり、その成熟と貯蔵、輸送にかかわります。

男性の病気について

男性生殖器の病気には、細菌による感染症や生殖器そのものの病気、器質的な異状など様々なものがありますが、加齢とともに多発する病気の多くは男性ホルモンの分泌低下に原因があります。

生殖器としての男性性器の発育や機能を支えているのは、男性ホルモンのアンドロゲンです。この男性ホルモンの分泌が減少してバランスが崩れると、女性の更年期障害と同じような症状が現れてきます。憂鬱感、不安感、無力感などが主な症状で、男性更年期とも呼ばれます。
症状があってつらいときは、泌尿器科や心療内科などを、早めに受診しましょう。

  • 急性前立腺炎…主に尿道からの細菌の感染で起こる前立腺の炎症です。
  • 慢性前立腺炎…長時間の座り仕事をする人に多く、骨盤内の血流障害も一因となります。
  • 前立腺肥大症…前立腺の内側にある尿道周囲腺が肥大し、排尿困難が生じます。
  • 前立腺がん…前立腺の領域のうち、尿道に対して外側に悪性の腫瘍性病変が発生します。
  • 膀胱がん…尿路の悪性腫瘍の中で最も発生率の高いのが膀胱がんです。
  • 陰茎がん…発症しやすいのは、亀頭がつねに包皮で覆われた、いわゆる包茎の人です。
  • 尖圭コンジローム…ヒトパピローマウイルスの感染によるSTDのひとつです。
  • 包茎…成長しても亀頭が包皮に覆われて露出しない状態をいいます。
  • 亀頭包皮炎…亀頭や包皮が炎症を起こして、赤く腫れたり、かゆみがでる病気です。
  • 男子不妊症…男性側に原因があって、普通に性交渉をしても女性が妊娠しない状態です。

慢性前立腺炎

慢性前立腺炎とは、前立腺の炎症が慢性化している状態です。原因としては、マイコプラズマやクラミジアなどの細菌感染が代表的ですが、長時間の座り仕事をする男性に多く、骨盤内の血流障害も一因としてあげられます。症状が持続し、なかなかよくならないのが特徴です。

慢性前立腺炎

慢性前立腺炎の症状
尿道や下腹部の不快感、頻尿、排尿時の痛み、残尿感など急性前立腺炎の場合と同じですが、症状は比較的軽く、自覚症状がないこともあります。

慢性前立腺炎の治療
尿検査、直腸診(肛門に指を挿入して前立腺を診察)、採血を行なって原因を特定します。
前立腺のマッサージを行なって、分泌腺内にたまっている膿性分泌物を排出させて、細菌によるものかどうかを確認することもあります。

細菌性であれば抗生物質(ガチフロなど)を内服します。非細菌性の場合も細菌が潜在している可能性があるので、同様に抗生物質を服用して経過を観察します。前立腺は抗生物質が届きにくい部位なので、治療には時間を要することがあります。また、便秘は症状を悪化させるので、整腸に留意することも大切です。

前立腺肥大症

前立腺肥大症とは、前立腺の内側にある尿道周囲腺が増殖して肥大し、前立腺の中を通る尿道を圧迫して、排尿時にさまざまな困難が生じる病気です。
加齢によるホルモンのバランスが崩れることが原因で、65歳以上のほとんどの男性は前立腺が肥大化しており、40%前後の人に前立腺肥大症の症状がみられます。

右側の写真では前立腺の肥大が確認できます

前立腺肥大症の症状
はじめは、おなかに力を込めないと尿が出ない、出ても細くて勢いがない、尿が出終わるまでに時間がかかるといった軽い排尿困難が現れます。また、肥大した内腺が尿道を刺激するため、夜間の排尿回数が多くなります。
その後、次第に排尿困難が強まり、残尿といって排尿後も膀胱に尿が残るようになります。

またこの時期にアルコールをとり過ぎたり、長時間座り続けたりすると突然、排尿が完全に止まってしまうことがあります。そして病気がさらに進行すると、残尿の量が増加して膀胱が拡張し、腎機能の低下と尿毒症の症状が現れます。

前立腺肥大症の治療
症状が軽ければ治療の必要はありません。生活上の注意として、便秘があれば改善し、過度の飲酒、激しい運動、長時間の座位の仕事を避けましょう。

初期であれば、前立腺や尿道に作用して排尿をよくする薬で治療します。前立腺を縮小させるホルモン剤を使う場合もあります。
排尿困難で日常生活に支障をきたしたり、腎臓機能が低下した場合には、肥大した前立腺を切除する手術が必要となります。

最良の方法は経尿道的切除術で、これは尿道から切除鏡を入れて、前立腺を見ながら肥大部分を高周波電流を通した電気メスで切り取ります。痛みがなく、出血も少ないので、合併症がある場合でもうけれられます。
大きな肥大症には開腹手術を行ないます。最近はレーザー光線や超音波を利用する方法も採られています。

包茎

亀頭(陰茎の先端)は、用事までは包皮に覆われているのがふつうで、成長とともに包皮は陰茎の幹のほうに反転して亀頭が露出するものです。包茎は、包皮が反転しないまま亀頭が包皮に覆われている状態で、包皮の口が狭く適当がまったく露出しないものを真性包茎、反転すれば亀頭が露出するものを仮性包茎といいます。

仮性包茎は、手術の必要はありません

真性包茎は排尿障害を起こすこともあり、仮性包茎でも包皮と亀頭の間に恥垢をためたままにしておくと、亀頭包皮炎陰茎がんなどの原因になることがあります。

包茎の原因
仮性包茎は、包皮が過剰なために起こるものですが、包皮輪(包皮の口径)が広いので、亀頭を露出させることができます。真性包茎は、包皮輪が線維化して狭くなっているもので、多くは先天的と考えられています。

包茎の治療
乳幼児期の包茎は、真性でなければ成長につれて自然に治るので、治療は必要ありません。
包皮と亀頭に強い癒着がある場合は剥離を行なうことがあります。

思春期前後からの包茎は、手術が必要です。包皮の背面切開術か環状切開術が主で、局所麻酔でできます。仮性包茎は、基本的に手術の必要はありませんが、カントン包茎を起こす恐れがある場合は手術を行ないます。

亀頭包皮炎

亀頭包皮炎とは、亀頭や包皮が炎症を起こして、赤く腫れたりただれたり、かゆみがでる病気です。膿がたまったり排尿時に強い痛みがある場合もあります。
小児や包茎の人のように、亀頭が露出してない場合にかかりやすくなります。

デリケートな部分は清潔に保ちましょう

亀頭包皮炎の原因
亀頭や包皮を不潔にしていたり、恥垢(亀頭と包皮の隙間にたまるあか)がたまっていると、細菌が繁殖して感染しやすくなります。また、小児や包茎の人は恥垢がたまりやすく、亀頭包皮炎を発症しやすくなりますので注意が必要です。

亀頭包皮炎の治療
抗菌薬の内服や塗り薬で治療します。いったん治っても繰り返す場合があるので、予防として仮性包茎の場合は入浴時に包皮を押し下げ、ぬるま湯で軽く洗って恥垢をためないようにしましょう。
思春期以降の真性包茎や仮性包茎でこの病気の再発を繰り返す場合は、早めの手術を検討します。

尖圭コンジローム

ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染によって起こるSTD(性感染症)のひとつです。感染してもすぐに症状は現れません。組織を採取して調べると診断できます。
再発することが多く、何度も治療を受けなければいけないことが多い病気です。

患部の痛みやかゆみが特徴です

尖圭コンジロームの症状
2〜3ヶ月の潜伏期を経てから発症します。亀頭の根元や包皮、陰嚢、肛門周辺に米粒大のイボのようなものが数個でき、数が増えるとともに小豆くらいに大きくなり、炎症が起きると痛みやかゆみをともなうこともあります。

痛みやかゆみは我慢できる程度ですし、あまり見られたくないデリケートな場所ですので、診察を受けない場合も多いようですが、ほかの人への感染を起こすだけではなく、陰茎がんとの関係が指摘されている病気なので注意が必要です。

尖圭コンジロームの治療
イボを液体窒素で凍結させて取る、局部に麻酔をかけてメスで切り取る、電気やレーザーで焼き固めるなどの方法がとられます。抗悪性腫瘍薬の軟膏を塗布したり、抗ウイルス作用のある注射で治療する必要があります。

潜伏期間が長く、治ったと思っても症状が再発することがあり、根気よく治療する必要があります。予防として、性交時にコンドームを用います。

前立腺がん

前立腺がんとは、前立腺の領域のうち、尿道に対して外側に悪性の腫瘍性病変が発生する病気で、男性ホルモンによってがんの成長が促進されます。
原因ははっきりとわかっていませんが、50歳以上の男性に多いので、老化かが関与していると考えられています。

早期がん以外は完全な治療は困難ですが、進行が比較的緩やかなので、治療さえすれば、しばらくは日常生活に支障のない場合が多いものがほとんどです。

前立腺がんの症状
初期は無症状ですから、血液のPSA検査による早期発見が重要です。次第に尿に勢いがなくなって時間がかかるようになり、頻尿や排尿時の痛みなど、前立腺肥大症とよく似た自覚症状が現れます。進行すると急に尿が出なくなったり(尿閉)、目で見てわかる血尿が出たりします。

肺や骨に転移しやすく、進行(転移)した症例では、これらのがんの症状(咳や腰痛)が出て、初めて前立腺がんとわかる場合があります。

前立腺がんの診断
血液生化学検査や腫瘍マーカーで前立腺のがんが疑われると、尿道・膀胱造影検査や前立腺の超音波検査やCT検査などの画像診断が行われます。
さらに直腸指診(直腸内触診)で前立腺の大きさや硬さなどを確認するとともに、組織検査を行なっても最終的に診断を画定します。

前立腺がんの治療
病態によって、手術療法、内分泌療法、放射線療法のどれが有効かどうかを決定します。
年齢が70歳以下で、初期であれば、前立腺の全摘出手術を行なう場合が多くなっています。前立腺と精嚢腺を摘出するので、術後は受精は不可能ですが、再発を高い確率で防ぐことができます。

手術不適応や高齢者、進行例では、放射線療法や男性ホルモンに対抗する治療薬を使った内分泌療法などが行われます。これらの治療で効果がない場合は、抗悪性腫瘍薬による治療も行ないます。

男子不妊症

男性側に何らかの原因があって、普通に性交渉をしても女性が妊娠しない場合を男子不妊症といいます。男子不妊症では、精液中に精子が全く存在しない無精子症、精子の数が少ない乏精子症、数は十分でも正常な活動能力のない精子無力症などのタイプがあります。

大半は突発性乏精子症です

男子不妊症の原因
原因には、大きく分けると次の3つのケースがあります。

  1. 精巣で十分な精子をつくることができない。
  2. 精子の運動性や受精能力の低下。
  3. 精巣上体や精管、精嚢、前立腺などの精子の輸送路での通過障害。

これらの障害が起こる原因には、脳下垂体から出る性腺刺激ホルモンの不足や、精嚢炎、精巣上体炎、前立腺炎、精索静脈瘤、停留精巣などがあり、検査によってある程度特定できます。
しかし、大半は検査を行なっても原因がはっきりしない突発性乏精子症です。

男子不妊症の治療
原因によって次のような治療を行ないます。

外科的治療
精路(精子の輸送管)に通過障害がある場合に行う手術です。顕微鏡を使って、精路となる器官をつなぎ直します。治療効果は、障害のある部位と程度によって異なります。
精索静脈瘤による精巣障害では、精巣静脈の結紮(けっさつ=縛ること)手術を行なうと比較的高い効果が得られます。

内科的治療
性腺刺激ホルモン不足が原因の場合は、注射によるホルモン療法が有効です。
細菌感染が原因の前立腺炎や精嚢炎は、抗菌薬の内服が効果的です。
原因不明の突発的乏精子症にはビタミン剤、代謝賦活薬、漢方薬などが用いられますが、治療効果はあまり期待できません。

人工授精
自然な妊娠が不可能な場合は、人工授精も選択肢の一つとなります。精子を直接子宮にいれる方法のほか、体外受精・胚移植などの方法もあります。


 
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