女性の病気のリスト

乳房に痛みやしこりがあっても、多くは乳がんとは関係ないものです。特別な治療の必要がない良性のものも多いので、自分でしこりを発見したときは、不安がらずに、乳腺外科あるいは外科を受診して検査を受けましょう。

女性の病気について

一方、子宮の病気は、目に見えないだけに異常に気が付かないことが多くなります。月経の量や痛み、織物の量や色などがいつもと違うときは要注意です。年代にかかわらず、定期的に検診を受けて、病気の早期発見を心がけましょう。

  • 乳がん…しこりができることで発見されるケースがほとんどです。
  • 炎症性乳がん…皮膚が炎症を起こしたように赤くなる悪性度の高いがんです。
  • 乳腺症…乳房の病気の中で最も多い良性のしこりです。
  • 乳腺線維腺種…乳房内に痛みのない、硬く、表面は滑らかなしこりができます。
  • 陥没乳頭…乳頭がへこんで、乳輪内に埋まった状態をいいます。
  • 月経困難症…月経時に下腹部痛、腰痛、頭痛、脱力感、嘔吐などが数日間続きます。
  • 月経前症候群…月経のはじまる1週間前から、不眠、憂鬱、下腹痛などが現れます。
  • 頻発月経…月経周期が短く、月に2〜3回も月経が訪れることをいいます。
  • 過多月経…月経での出血量が極端に多くなるものをいいます。
  • 過少月経…月経での出血量が極端に少なくなるものをいいます。
  • 無月経…ホルモンのバランスが崩れて正常な排卵、出血が起こらなくなるものです。
  • 子宮筋腫…良性の腫瘍なので、子宮組織を破壊したり、転移することはありません。
  • 子宮頸がん…子宮の頚部の粘膜に発生します。子宮がん全体の約70%を占めます。
  • 子宮体がん…内膜にできるのが子宮体がんで、子宮内膜がんとも呼ばれています。
  • 子宮下垂…子宮が下がって膣内に留まっている状態で、下腹部に圧迫感があります。
  • 子宮内膜症…月経時の下腹部痛や腰痛、不正出血、下痢・便秘などがあらわれます。
  • 卵巣嚢腫…悪性に変わるものもあるので、定期的な検査は欠かせません。
  • 卵巣がん…女性性器において、子宮がんに次いで多くみられる悪性腫瘍です。
  • 卵管がん…卵管がんの99%以上はほかの臓器のがんが転移したものです。
  • 骨盤腹膜炎…子宮などの骨盤内の臓器を覆っている骨盤腹膜に炎症が起きます。
  • 不妊症…子供を希望しながら2年以上子供のできない状態をいいます。
  • 更年期障害…更年期におこる精神的、肉体的なさまざまな症状をいいます。

乳がんとは?

日本人女性の乳がんにかかる割合は、欧米諸国に比べると低率です。しかし、最近は急速に増加しており、その原因としては、食生活や社会環境の欧米化などが考えられます。
乳がんが最も多いのは40代後半で、次いで50代前半、40代前半の順で、25歳以下はまれです。乳がんはほかのがんと違い、体の表面に発生する腫瘍なので、自分で腫瘤(しこり)を発見することができます。

乳がんについて

乳がんの症状
しこりができることで発見されるケースがほとんどです。しこりは一般的に痛まないことが多いので、大きくなってから気づくケースも少なくありません。しこりがわかったら早めの検診が必要です。

しこり以外の症状では、さまざまな乳房の変化がみられます。乳頭や乳輪がただれたり、かさぶたができたり、分泌物が出たり、乳頭ががんのある方向を向いたりします。
また、しこりをつまむとその真上にえくぼのようなへこみができることもあります。良性の腫瘍の場合はへこみはできません。乳がんは、問診や視診・触診のほか、以下のような検査を行って診断します。

マンモグラフィ
マンモグラフィとは、乳房専用のレントゲン撮影機のことで、乳房をX線撮影台に乗せ、板で挟んで、上下方向と斜め左右から撮影します。マンモグラフィでは、しこりの大きさや状態、浸潤の状況までわかり、手で触れない小さな病変も発見することがあります。

超音波検査
乳房に超音波をあて、戻ってくる反射波(エコー)を画像化することにより、乳房断面の映像を見る検査です。しこりの大きさや広がり、浸潤の度合いが非常によくわかり、放射線被爆の影響もなく安全です。

細胞診
しこりに細い注射針を刺し、細胞を吸い取って顕微鏡で良性か悪性かを調べる検査です。マンモグラフィ、超音波検査でしこりが見つかった後に行うもので、これでほぼ診断が確定します。

組織診(生検)
細胞診よりもさらに確実な検査です。局所麻酔をしたうえで、少し太い針を刺して組織をとる方法と、皮膚を切開して、しこりを取り除く方法があります。いずれも採取した組織を顕微鏡で調べ、良性か悪性化を判断します。
最近では直径3mmほどの針で組織を吸い取って調べる「マンモトーム」という装置を使う方法も行われています。

乳がんの治療
乳がんの手術には大きく分けて温存術と全摘出術があります。生存率は変わりませんが、外見的なことや運動機能に違いが出てきます。また、温存する場合は、局所再発率が高くなるので、放射線療法が欠かせません。

どの場合でも温存療法が選択できるわけではなく、がんが広範囲に及んでいる場合や放射線療法ができない妊娠中などは、全摘術が選択されることになります。
最近では、皮下乳腺全摘術という方法もあります。従来の全摘術より乳房再建がしやすいうえ、根治性や局所再発率も全摘術と変わらないので注目されています。

炎症性乳がんとは?

皮膚が炎症を起こしたように赤くなって熱をもつためにこの名前がつきました。しかし実際には炎症を起こしたわけではなく、乳房の皮膚にあるリンパの流れをがん細胞がさえぎるためにこのような症状が現れます。このがんはまれで、乳がん全体の約1%を占めるにすぎません。しかし、進行が早く、全身的な転移をきたしやすい悪性度の高いがんです。

炎症性乳がんの症状
乳房が赤く腫れて痒くなったり、熱を帯びたりします。この腫れはぶつぶつした発疹をともなっていたり、皮膚の表面がざらざらしたりするため、外観がオレンジに似ているとくことで、フランス語でポー・ドランジュ(オレンジの皮)と呼ばれます。また、乳頭が陥没するケースもあります。

炎症性乳がんの治療
放射線治療、化学療法、ホルモン療法を組み合わせて治療します。トラスツズマブ(ハーセプチン)を単独で、あるいは化学療法と組み合わせて用いることもあります。
多くの場合、強力な集学的療法が必要となりますが、薬物療法の進歩により治療成績は徐々に改善しています。

乳腺症とは?

乳腺症は、乳房の病気の中で最も多い良性のしこりです。乳腺線維腺腫乳がんとともに乳腺の三大疾患と呼ばれています。40〜50歳の更年期の女性に多くみられ、卵胞ホルモン(エストロゲン)の過剰分泌が原因ではないかと考えられています。

乳腺の三大疾患のひとつです

乳腺症の症状
乳腺にしこりができて痛みます。ふつう両方の乳房に発生しますが、片方だけのこともあります。月経前に特に強く痛み、月経後は痛みが和らぐことが多いものです。このしこりは一度できると自然に消えることはありません。また、乳頭から異常な分泌物が出ることもあります。

乳腺症の治療
乳がんの前がん病変だと考えられていた時代もありましたが、現在では否定されています。一般に、しこりがやわらかく痛みを主とする軽いものは経過観察で十分で、乳腺痛がひどい場合は、鎮痛剤の内服をします。

乳腺線維腺腫とは?

20〜35歳くらいまでの女性の多くみられる良性の腫瘍です。乳房内に痛みのない、硬く、表面は滑らかなしこりができます。しこりはコロコロとした感じでよく動き、周囲の組織の境界がはっきりしているのが特徴です。
乳がんとの症状と似ているので、組織検査をきちんと行う必要があります。

乳腺線維腺腫について

乳腺線維腺腫の原因
しこりは、乳汁をつくる乳腺小葉の組織が増殖してできたものです。初経(初潮)前や閉経後にできるのは稀であることから、女性ホルモンの作用が関係していると考えられています。

乳腺線維腺腫の治療
病院で検査を受け、乳腺線維腺腫と診断がつけば、心配ありません。腺腫は閉経後に自然に収縮していきますが、若い方は定期的に病院へ行き、そのまま経過を見てもらえば安心です。

ただし、しこりが非常に大きいものや、短期間に大きくなるものは、外科手術で摘出することもあります。3cmくらいまでの大きさならば、手術は局所麻酔で行うことができ、30分程度で済みます。

陥没乳頭とは?

乳頭がへこんで、乳輪内に埋まった状態をいいます。成人までに正常な状態にならない場合は、外見上の問題だけではなく、授乳できないなどの問題も出てきます。
また、放置しておくと乳管炎や乳腺炎を繰り返し、状態がさらに悪化するケースも少なくありません。

思春期の女性には大きな悩みです

陥没乳頭の原因
原因は乳管周囲の平滑筋の繊維化であるといわれていますが、ほとんどが生まれつきのものです。

陥没乳頭の治療
治療法は2つあります。ひとつは、ニプレットという器具を使う方法です。注射筒の先にカップがついた形をしていて、乳頭を吸引します。医師の指導を受けたあと、自分で行えます。個人差はありますが、だいたい半年以上の使用で改善が見られます。

もうひとつの方法は乳腺外科や形成外科、美容外科での手術です。乳管周囲の線維を切り離して乳頭を引き出したあと、糸で吊り上げて固定します。どちらの方法を選択するかは医師と相談して決めます。

ただし、乳房の発育途中に治療を行うと、再発する可能性がありますので、思春期を過ぎて乳房が成熟してからが最善とされています。

月経困難症とは?

月経時にけいれん性の下腹部痛、腰痛、頭痛、脱力感、嘔吐などが数日間続き、日常生活にも支障をきたす状態を月経困難症といいます。子宮や卵巣などの病気によって起こる器質性月経困難症と、とくに原因となる病気がないな機能性月経困難症の2つのタイプがあります。

激しい下腹部痛が主症状です

月経困難症の原因
ひどい月経痛で考えられる病気としては、子宮筋腫子宮内膜症、子宮腺筋症などがありますが、卵巣嚢腫によって起こる場合もあります。
原因となる病気がなくて月経痛がひどい場合は、子宮内膜で生成されるプロスタグランジンという物質の分泌が体質的に多いことが考えられます。
プロスタグランジンは子宮を収縮させて経血の排出をうながすはたらきをしていますが、分泌量が多すぎると、子宮が強く収縮して月経痛がひどくなります。

また、年齢が若いために子宮や卵巣が未成熟であったり、出産経験がなく子宮頸管が狭いなどの場合、さらには冷えや骨盤のゆがみなどもひどい月経痛の原因となります。

月経困難症の治療
器質性か機能性かを判断するために、問診、内診、超音波診断などを行なってから治療を開始します。対症療法としては、鎮痛薬を服用します。漢方薬を使用する際は、症状や体質にあったものを選ぶ必要があります。また、低用量ピルが使われることもあります。

月経痛を我慢し続けると、隠れた原因疾患がさらに悪化する恐れがありますので、症状が強くなるようなら、婦人科で診察を受けましょう。

月経前緊張症とは?

月経のはじまる1週間前から、不眠、イライラ、憂鬱、乳房痛、便秘、のぼせ、むくみ、下腹痛などの症状が現れ、月経開始とともにこれらの症状が軽快したり、なくなる場合を月経前緊張症(PMS)といいます。月経前症候群と呼ばれることもあります。

生活に支障をきたす場合は婦人科で治療を受けましょう

月経前緊張症(PMS)の原因
黄体期の内分泌環境、特に黄体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)が関係すると考えられていますが、まだはっきりとした原因はわかっていません。
また、環境の変化などによるストレスや神経質な性格などの心理的な要因もかかわっているとされています。

月経前緊張症(PMS)の治療
子宮筋腫子宮内膜症でも似たような状態になることがあるため、内診や超音波検査が行われます。月経前緊張症と診断がついたときは、症状に応じた治療が行われます。
まず、鎮痛薬や精神安定薬、整腸薬などを処方する対症療法を行ないます。

症状が改善しなければ、漢方療法を行なうこともあります。それでもまだ症状が強い場合には、排卵を抑制するためにピルが処方されることもあります。

頻発月経とは?

月経周期が短く、月に2〜3回も月経が訪れることをいいます。成熟卵胞が排卵しないまま、月経だけが繰り返される「無排卵性」と、排卵しても卵胞期が通常より短かったり、卵胞から変化した黄体のはたらきが悪いために月経が頻回になる「排卵性」の2つに分けられます。

月に2、3回も月経が訪れます

腫瘍や子宮内膜ポリープ、子宮筋腫子宮がんなどが原因で起こる不正出血を月経と誤る場合もありますので、注意が必要です。

頻発月経の原因
無排卵性の頻発月経は思春期や更年期に多くみられ、性的に成熟していない、または閉経が近く卵巣の機能が弱まっていることが原因です。
排卵性の頻発月経もホルモンの乱れによって起こり、月経が始まってから排卵するまでの卵胞期が短いか、あるいは排卵してから次の月経までの黄体期が短いことが原因です。

頻発月経の治療
基礎体温を測定して排卵の有無を確認します。さらに黄体や卵胞の働きを調べます。排卵がない場合は、排卵誘発剤で人工的に排卵を起こし、正常な月経周期に戻すようにします。
ほかの病気で不正出血を起こしている場合は、その疾患の治療をしなければなりません。

過多月経とは?

過多月経とは、月経での出血量が極端に多くなるものをいいます。
10代の若い女性の過多月経はほとんどの場合、ホルモンのはたらきが整っていないためにこるものです。30〜40代では、子宮筋腫子宮内膜症、子宮腺筋症などの病気によって子宮内膜の面積が大きくなり、出血量が増えるものです。
また、過労や精神的ストレスが原因で起こることもあります。(反対の症状:過少月経

貧血を起こしやすくなります

過多月経の症状
ナプキンが1時間ももたなかったり、昼間によるようナプキンを使っても漏れてしまうほどの出血があり、レバー状の血のかたまりがたくさん出ます。
また、多くの場合、日数が8日以上続く過長月経をともなっています。
どちらも貧血を起こしやすく、そのため立ちくらみがしたり、動悸がすることもあります。

過多月経の治療
10代の女性の場合、20歳ごろには月経量が安定することが多いので、貧血などがない場合は、そのまま様子をみます。卵巣機能の異常が原因の場合はホルモン療法を行ないます。

それ以外で子宮筋腫や子宮内膜症などの病気のために過多月経が起こっている場合には、原因となる病気の治療を行ないます。貧血をともなう場合には、造血薬が用いられます。

過少月経とは?

月経血の量が、ナプキンをほとんど必要としない(30ml以下)程度の状態を過少月経といい、1〜2日ほどの短い日数で出血が終了する過短月経もともなっています。(反対の症状:過多月経

無排卵が3ヶ月以上続く場合は治療が必要です

過少月経の原因
10代の若い女性では、無排卵によって過少・過短月経になるケースが多くみられます。性腺刺激ホルモンが上手く分泌されず、卵胞が成熟しないうちにしぼみ、子宮内膜が十分増殖する前に剥がれ落ちてしまうため、出血量が少なくなります。

成熟した女性でも、精神的なストレスや無理なダイエットなどによってホルモンのバランスが乱れ、卵巣のホルモン分泌機能が低下すると無排卵性の過少・過短月経がおこります。

また、子宮の発育が生まれつき悪かったり、人工妊娠中絶を繰り返し行っていたために子宮内膜が癒着を起こし、子宮内膜の表面積が少なくなって過少・過短月経となる場合もあります。

過少月経の治療
子宮の発育不全や卵巣に原因がある場合は、卵胞ホルモン薬などによるホルモン療法を行います。思春期や更年期の場合は特に問題はありません。

無月経とは?

月経は、子宮に卵巣ホルモンがバランスを保って作用することで起こる現象です。
そのバランスが崩れて正常な排卵、出血が起こらなくなるものを無月経といい、18歳を過ぎても初潮がみられない原発性無月経と、一度でも月経があったあと、90日以上、月経が見られない状態が続く続発性無月経があります。

無月経には2つのタイプがあります

原発性無月経
染色体の異常によって卵巣などの発育不全が起こっている場合がほとんどです。
ほかに副腎の異常により多量の男性ホルモンが分泌されて男性化が起こっている例や、形態の異常により子宮や膣がない場合、月経は起こっているのに処女膜や膣が閉鎖しているため出血しない場合などがあります。また、脳の視床下部や下垂体の機能障害、甲状腺機能低下症などの病気から無月経となる場合もあります。

染色体異常による卵巣の発育不全が原因の場合には、排卵を起こすことはできませんが、骨粗鬆症などを防ぐために、女性ホルモンを投与するホルモン補充療法が行われます。
染色体に異常がない場合は、排卵誘発剤や性ステロイド薬を投与します。膣が閉鎖している場合は、手術で経血が流れる経路を作ります。

続発性無月経
月経をコントロールする脳の視床下部や下垂体の機能低下が原因の多くを占めています。
また、近年では無理なダイエットによる体重減少や精神的ストレスによるものも増えてきています。そのほか、高プロラクチン血症、甲状腺や副腎皮質の異常などによっても起きる場合があります。

治療に際しては、まず基礎体温を測定し、状態を確認したうえで、黄体ホルモンを注射します。これで月経が起こる場合を第一度無月経と呼び、治療として排卵剤を投与します。

黄体ホルモンを注射しても月経が起こらない場合を第二度無月経と呼び、卵胞ホルモン薬と黄体ホルモン薬を糖好し、月経を起こします。甲状腺や副腎皮質の異常などが原因の場合は、その病気を治療します。

子宮筋腫とは?

子宮筋にできる良性の腫瘍のことで、卵巣ホルモンの作用が原因ではないかと考えられています。卵巣ホルモンのはたらきが盛んな20〜50歳代前半の女性にみられ、閉経後に発症することはありません。

子宮筋腫

良性の腫瘍なので、大きくなっても子宮組織を破壊したり、ほかの場所に転移することはありません。また、がんなど悪性のものに変化することもありません。
筋腫の発生場所によって、筋層内筋腫、漿膜下筋腫、粘膜下筋腫に分けられますが、いくつかの種類が合わさっていたり、子宮内膜症と合併している場合もあります。

子宮筋腫の症状
筋腫が小さい間は目立った症状はありませんが、低色素性貧血で発見されることがよくあります。筋腫の大きさがこぶし大以上になると、腹部にしこりを感じるようになり、過多月経や月経痛、出血による貧血などが現れます。

筋腫が子宮周囲の臓器を圧迫するようになると、頻尿や便秘、下腹部痛などが現れます。筋腫がかなり大きくなっても無症状の人もいます。

子宮頸がんの検査
まず問診を行ない、筋腫が疑われれば、内診と超音波検査で子宮や筋腫の大きさ、固さ、位置などを確認します。これでほぼ診断はつきますが、卵巣腫瘍などと区別がつきにくい場合や、より詳しい筋腫の状態などを調べるために、必要に応じてMRI検査やCT検査、子宮卵管造影、子宮鏡検査をおこないます。採血を行なって、貧血の有無や腫瘍マーカーを調べることもあります。

子宮筋腫の治療
必ずしもすぐに治療の必要というわけではなく、筋腫の大きさ、痛みや貧血などの症状の程度、年齢や妊娠の希望などを考慮しながら治療の有無を決めます。

手術は、子宮を全部取り出す単純子宮全摘術と、筋腫部分だけを除去して子宮を保存する筋腫核手術があり、若年層や妊娠を希望する人には後者が選択されます。入院期間は1〜2週間ですが、退院後は自宅療養が必要となります。

薬物療法では、筋腫を小さくしたり、症状を軽くするためのホルモン剤、貧血に対する鉄剤、鎮痛薬、漢方薬が使われます。ただし、薬物療法では根治は望めません。

子宮頸がんとは?

子宮の頚部(入り口付近)の粘膜に発生するもので、子宮がん全体の約70%を占めるほど発生率の高いがんです。原因はまだはっきり解明させていませんが、性交などによって感染するパピローマウイルスが有力視されています。このウイルスには多くの型があり、その中のいくつかが、子宮頸がんに関係していると考えられています。

子宮頸がん

集団検診や定期健診の普及によって初期に発見されるケースが多くなり、がんの中で唯一、検診の効果によって死亡率が低下したがんといわれています。
また、子宮頸がんは治癒率が高く、進行期0期(がんが、上皮内にとどまっている状態)で発見して、すぐに治療を行なえば100%治ります。

子宮頸がんの症状
初期には自覚症状はありませんが、そのうち月経が不順になったり、性交後の出血や、さまざまなおりものが現れてきます。さらに進行すると、普段でも性器から出血するようになり、下腹部の痛みや発熱、やがては排尿困難、排便困難が起きてきます。
全身に転移すると貧血、食欲不振、体重減少などが現れます。

子宮頸がんの検査
まず子宮頚部を綿棒やブラシなどでこすって細胞を採取して、硝子に塗りつけて染色します。これを顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます(細胞診)。
細胞診で異常な細胞が見つかった場合は、コルポスコープという膣拡大鏡で5〜25倍に拡大して、子宮口の粘膜を観察します。コルポスコープ診で異常があれば、その部分の組織を切り取って、顕微鏡で調べます(組織診)。
組織診で早期のがんが発見された場合、本当に早期がんであるかどうかを調べるため、子宮頚部を円錐状に切り取って、顕微鏡で調べます(円錐切除術)。

子宮頸がんの治療
U期(がんが膣壁の1/3以内、子宮周辺まで進んだもの)までは子宮を前摘出するのが一般的です。出産を希望する人、妊娠中で早期がんの人には、子宮頚部だけを円錐状に切り取って子宮を保存する方法(円錐切除術)が用いられます。

T期(がんが子宮頚部に限定するもの)の中で浸潤が深い場合は、通常、出産を中断せざるを得ません。V期(がんが膣壁の1/3を超える場合や、骨盤壁まで浸潤しているもの)以上で手術が不適応の場合は、放射線治療が中心となります。

子宮体がんとは?

成熟した女性では、周期的に月経として子宮体部の内膜が剥離します。この内膜にできるのが子宮体がんで、子宮内膜がんとも呼ばれています。
もともと欧米人に多くみられていたがんですが、食生活の欧米化や少子化などのライフスタイルの変化から、日本でも近年増加傾向にあり、全子宮がんの約30%を占めるに至っています。

MRIによる子宮体がんの画像です

子宮体がんは、閉経後の50〜60歳代の女性に多く、卵胞ホルモン(エストロゲン)との関連が深いと考えられています。未婚、未出産、高齢出産なども危険因子の一つとされています。
そのほか肥満や高血圧、糖尿病などの持病がある人は、発症率が高いとされています。

子宮体がんの症状
閉経後であっても、病気が早い時期から出血やおりものが現れてきます。おりものは最初は水様性ですが、進行するにつれて血や膿が混じるようになります。
やがて痛みや貧血などが現れ、子宮内に血液や膿などがたまってくると、激しい下腹部痛とともにそれらが排出されます。進行は子宮頸がんよりもゆるやかですが、全身に転移すると貧血や食欲不振、体重減少などがおこります。

子宮体がんの検査
子宮内に細いチューブなどを挿入して、子宮の奥の内膜細胞を採取し、顕微鏡で検査する内膜細胞診で、がんのほとんどは発見できます。痛みが強くて検査が困難な場合は、膣から超音波エコーを入れて、子宮内を観察します。このけんさでがんが疑われた場合は、小さなさじ状の器具で子宮内膜の組織をかき出して(組織診)、精密検査を行ないます。

子宮体がんの治療
子宮とリンパ節を摘出する手術が治療の中心となります。ほかに重病があって手術が困難な場合は、放射線療法や化学療法、ホルモン療法などを行ない治療します。初期であれば5年生存率は90%以上ですので、定期的な検査を受けるようにこころがけましょう。

卵巣嚢腫とは?

卵巣は女性の身体を支配するホルモンを分泌している大事な臓器ですが、比較的腫れ物(腫瘍)ができやすい場所です。腫れ物の種類は多いものの、約90%は卵巣嚢腫と呼ばれるものです。
卵巣嚢腫は卵巣の中に分泌物がたまったものですが、何故そうなるのか現在のところわかっていません。

卵巣嚢腫

嚢腫は、嚢(袋)の中に透明な液体が入っている漿液性、ゼラチン上の物質が入っているムチン性、毛髪や骨など皮膚を構成する組織が入っている類比性の3つが代表的です。
ほとんどが良性腫瘍ですが、悪性に変わるものもあるので、定期的な検査は欠かせません。

卵巣嚢腫の症状
初期は無症状で、嚢腫が大きくなるに連れて、おなかが膨れてきます。おなかに触れるとしこりが感じられるようになり、腰痛も起こってきます。進行すると、膀胱を圧迫するようになり、頻尿や残尿感などをともないます。
また、嚢腫の茎がねじれることもあります(茎捻転)。急にねじれた場合は、激しい腹痛や嘔吐がみられます。

卵巣嚢腫の治療
卵巣嚢腫は検診などで偶然に発見される場合は別として、相当大きくならないと発見できにくいこと、また良性なのか悪性なのか、また良性としても、どの嚢腫かなどということから、開腹手術しなければならないことがほとんどです。

悪性の場合はただちに処置しないと生命に関わることがあり、良性でも放置していると、がんに変化したり、茎捻転を起こすこともあるので、卵巣嚢腫と診断されたら手術が必要となります。

卵巣嚢腫では約7%が悪性といわれていますが、早い時期ならば健全な方の卵巣を残すこともできます。その場合は、妊娠、出産も可能で、一部でも残しておけば、卵巣の機能は保持できます。

卵巣がんとは?

卵巣がんとは、卵巣に発生する悪性腫瘍で、女性性器のがんでは子宮がんに次いで多くみられます。ホルモンを分泌する卵巣には良性や悪性あるいはその中間と、色々な腫瘍が発生します。

超音波での診断画像

卵巣がんの発生は更年期前後が最も多いのですが、患者は若い人から高齢者まで幅広くなっています。卵巣がんはかなり進行しないと自覚症状が現れず、70%近くの患者は転移した状態ではじめて病院を訪れます。

卵巣がんの症状
初期には自覚症状がないものの、かなり進行してくると腫瘍も大きくなっているので、腹部が膨隆したり吐き気などが現れます。このころになると腹部を押さえると腫瘍に触れることもあります。
また大きくなった腫瘍に膀胱が圧迫されるため、頻尿になることもあります。

卵巣がんの診断
下腹部に圧迫感がある場合は診察で、腫瘍の有無、卵巣の腫瘍か子宮筋腫かはある程度わかります。診察で腫瘍が疑われる場合は、経膣・経腹超音波検査、CT、MRIなどの画像診断によって、子宮の腫瘍か、卵巣腫瘍か、腫瘍の内部の構造、転移の有無などを詳しく調べます。検査によって良性か悪性かを推定することができます。

卵巣がんの治療
手術で卵巣がんを摘出しますが、卵巣がんは反対側の卵巣や子宮に転移していることがあるので、同時にこれらの臓器も摘出します。また、卵巣がんは腹部の奥深いリンパ節へも転移することがあるので、これらのリンパ節も摘出する傾向があります。
ただし、ごく早期のがんの場合に限って、年齢が若く、将来妊娠を希望する人では、子宮や反対側の卵巣を残す場合もあります。

卵巣がんは腹腔内に広がりやすいため、手術を行なっても目に見えないがん細胞が残っていることがあるので、手術後に抗がん剤を主体とした薬物療法を行ないます。

また、手術で開腹しても卵巣がんを取りきれないときは、組織型とを確認するための小さな組織を採取するにとどめて、いったんはおなかを閉じ、その後、抗がん剤を何回か投与して、がんを小さくしてから再手術を行なうこともあります。

卵管がんとは?

卵管がんは、卵管に発生するがんのことです。女性のがんにおける発生率はきわめて低く、卵管がんの99%以上はほかの臓器のがんが転移したものです。出産経験のない人や不妊の人に多いと考えられています。卵巣や子宮、あるいはリンパ節に転移することもあります。

卵管がんの症状
初期には自覚症状がなく、このがん特有の症状もありません。進行するとやがて黄色いおりものが増えて、閉経後であっても血が混じったおりものが現れるようになります。下腹部がじわじわと痛んだりすることもあります。

卵管がんの治療
超音波、CT、MRI検査で大きさや病変の広がり方を知ることができます。
手術は、卵管の腫瘍だけでなく、子宮と卵巣やリンパ節、周辺組織を含めての切除が必要です。
進行例では、術後に抗悪性腫瘍薬での治療を行ないます。

不妊症とは?

子供を希望しながら2年以上子供のできない状態を不妊症といい、女性側に明らかな不妊の原因があるものを女性不妊、男性側に原因があるものを男性不妊といいます。
もちろん、双方に原因のある場合、どちら側にも原因が見当たらないという場合もあります。

不妊症

また、結婚後一度も妊娠したことがないことを原発性不妊、過去に妊娠ないし出産した経験はあっても、そのご不妊であることを続発性不妊といいます。

不妊症の原因
夫婦の約1割は不妊症とされており、原因は、男性、女性、そして療法にそれぞれ1/3づつあるといわれています。女性の原因としては、無排卵性月経や黄体機能不全などの卵管障害、子宮発育不全や子宮内膜症子宮筋腫などの子宮障害、あるいは卵管狭窄、卵管閉鎖などの卵管障害が考えられます。

男性側に起因する不妊(男性不妊症)では、精液中の精子の数が少ないことや、早漏などで受精させる力が弱いケースが多くみられます。精子の数が減少する理由としては、ほかの病気で精子を作る機能を失ったことや、精管が詰まっていることが考えられます。

不妊症の治療
まず、基礎体温を測ります。その他にホルモン負荷試験や子宮卵管造影などで原因を探ります。
排卵異常に対しては、排卵誘発を行ないます。最近では下垂体ホルモン剤、クロミフェンなど、優れた排卵誘発剤が、効果をあげています。

卵管通過性障害があるときは、卵管通気法、卵管通水法などのを繰り返して通過性の改善を試みます。これで効果が上がらない場合は、卵管形成術で手術的に再疎通を行なうこともあります。

卵巣ホルモンの分泌異常に対しては、ホルモン療法を行ないます。ただし、性ホルモンの投与はかえって排卵を抑制したり、不正出血の原因になることがあるので、専門医の指導のもとに慎重に行なうことが必要です。

また、自然な妊娠が難しい場合は、人工授精や体外受精なども選択肢の一つとなります。
不妊治療にはさまざまな方法があり、なかには肉体的・精神的負担になるものもあります。費用もそれなりにかかります。まず、当人同士の理解と協力、根気が大切です。医師と信頼関係を築いて、焦らずにじっくり治療しましょう。

更年期障害とは?

女性の性成熟期(生殖期)から老年期(非生殖期)への移行過渡期のことを更年期といい、その時期におこる精神的、肉体的なさまざまな症状のことを更年期障害といいます。

焦らずにゆっくりと治しましょう

更年期障害の原因
更年期はだいたい40歳代半ばくらいに迎え、50歳代半ばくらいまで続くというのが一般的です。
そして、その途中で閉経を迎えますが、閉経の平均年齢は50歳くらいです。ただし、早い人で40歳くらいと個人差があります。

更年期に入ると卵巣のはたらきが低下し、月経不順、月経血の減少あるいは増加、時には不正出血がおこり、やがて閉経を迎えます。
これは、卵巣の老化によって、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が減少、消失するためで、エストロゲンの減少は視床下部の性中枢に作用し、その近くの自律神経中枢への影響によって自律神経失調症が起こります。

また、ストレスも大きく関わっています。この時期は、老親の介護や老後の不安、あるいは子供の独立による家庭環境の変化、定年を迎えて家に居ることが多くなった夫との不和(亭主元気で留守がいい)、体力の衰えなどが重なるときでもあり、それらがストレスとなって症状を引き起こすこともあります。

更年期障害の症状
倦怠感や頭痛、肩こり、腰痛、動悸などのほか、顔面紅潮やのぼせ、物忘れ、不眠など症状の現れ方はさまざまです。これらの症状は検査を受けても異常がはっきりと現れないことの多い、いわゆる不定愁訴(ふていしゅうそ)です。

いずれの症状も、健康なときであればなんでもないようなトラブルが原因で現れ、数日間続くといつの間にか治るというパターンがほとんどです。
これが1〜2ヶ月の間隔をおいて繰り返して現れ、次第に症状の出ている期間が長くなります。
そして5年くらい、こうした状態が続いたあと、自然に治ってしまうのが一般的です。

更年期障害の治療
更年期に入ると卵巣の機能が衰えるために、月経不順や月経血の増減、ときには不正出血が起こりますが、これらの症状が本当に更年期にともなう変調なのかどうかを見極める必要があります。
月経異常は子宮がん子宮筋腫など、ほかの婦人家系の病気にも見られる症状だからです。
また、更年期障害の不定愁訴も、神経病やうつ病など他の病気の可能性もあるので、きちんと検査を受ける必要があります。

月経不順や不定愁訴が更年期によるものであって、生活に支障を与えない程度であれば、内分泌系の安定とともに収まるので治療の必要はありません。
症状が重く、生活や仕事に影響を与えるようであれば治療を行ないます。

代表的な治療法はホルモン療法と呼ばれるものです。ホルモン療法には卵巣ホルモン(エストロゲン)を補充する療法と、男女混合ホルモン(エストロゲンとアンドロゲン)を補充する療法があります。これは卵巣のはたらきが衰え、その影響によって自律神経の機能が乱れて起こる自律神経失調症を改善する治療法です。

卵胞ホルモン(エストロゲン)療法というのは、更年期前には保たれてきたエストロゲンが老化にともなって減少・消失していくのを補い、血中の卵胞ホルモンの濃度が低下するのを防ぐ療法です。
また、男女混合ホルモンによる治療法は、不定愁訴の中でも特に頭痛や肩こり、腰痛、疲労などに効き目があるとされています。

現在、盛んに行なわれているのはホルモン補充療法といわれるもので、これは少量の卵胞ホルモンを長期間投与する方法で、かなりの効果があります。
ホルモン補充療法によって更年期障害の種々の症状の改善のほかにも、高脂血症動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも役立ちます。