気になる病気と症状辞典

眼の病気のリスト

中年にさしかかってくると、目に何らかのトラブルや病気が起こることが多くなります。なかでも、近年注目されているのが緑内障です。潜在的には200万人とかなりの患者がいるにもかかわらず、医療機関で治療を受けているのは、わずか20%程度です。

目の病気について

加齢性黄斑変性もまた、中高年に増加しています。この病気はその名のとおり、加齢によって起こる眼の病気です。高齢化が進み、今後はさらに増えると予想されています。緑内障にしても、加齢性黄斑症にしても、治療が手遅れになれば失明する可能性の高い怖い病気です。

さらに、中高年になると高血圧や糖尿病、高コレステロールの人が多くなりますが、これらの病気も眼に悪影響を及ぼします。糖尿病による網膜症が、中途失明原因の第1位であることがそれを証明しています。

  • 白内障…瞳孔にある水晶体に濁りが生じて、視力が低下してくる病気です。
  • 緑内障…視神経が圧迫されて障害を起こし、視野が狭くなってくる病気です。
  • 飛蚊症(ひぶんしょう)…視野の中に蚊や糸くずのような浮遊物がぼんやりと現れます。
  • 黄斑変性症…ものゆがんで見えたり、視野の中心部分が暗く見えたりする病気です。
  • 網膜剥離…網膜が剥がれて、視細胞に栄養が行き渡らず、機能が低下します。
  • 糖尿病性網膜症…糖尿病の3大合併症の一つで、網膜の血管に障害が起こる病気です。
  • 網膜色素変性症…網膜の細胞が萎縮して、視力や視野の障害が進行していく難病です。
  • 中心性網脈絡膜症…黄斑部が浮腫状になること(腫れる)によって起こる病気です。
  • 視神経炎…視力が急激に低下し、特に、視野の中心部が見えにくくなる病気です。
  • 翼状片…目頭側の結膜から角膜にかけて、盛り上がった膜が広がってくる病気です。
  • 眼精疲労…目の酷使により、目の痛み、乾き、かすみなどの症状をきたす状態です。
  • VDT症候群…長時間ディスプレイの画面を見続けることによって起こる現代病です。
  • 近視…近いところにはピントがあってよく見えますが、遠くにはピントが合いません。
  • 乱視…一定方向の線だけはっきり見えたり、片目で見ると物が二重に見えたりします。
  • 老視(老眼)…水晶体の調節力が弱まり、近いところが見えにくくなる状態です。
  • 霰粒腫…マイボーム腺の出口が詰まって肉芽性の炎症を起こす病気です。
  • 麦粒腫…細菌の感染がもとでまぶたの一部が赤くなり、腫れて痛みが現れる病気です。
  • 睫毛乱生…逆さまつげのことで、まつげが眼球のほうを向いている状態です。
  • 眼瞼下垂…まぶたが垂れ下がってきて、目を開けにくくなる状態をいいます。
  • 角膜潰瘍…角膜にできた傷口にブドウ球菌などがついて潰瘍ができるものです。
  • 角膜ヘルペス…単純ヘルペスウイルスが感染して、角膜に樹枝状の潰瘍が生じます。
  • ぶどう膜炎…虹彩、毛様体、脈絡膜の総称であるぶどう膜に起こる炎症です。
  • アレルギー性結膜炎…アレルギー反応によって起こる結膜の炎症のことをいいます。

近視

近いところにはピントがあってよく見えますが、遠くにはピントが合わず、見えにくくなる状態です。角膜から眼底までの距離を眼軸といいます。眼軸が長いと、遠くのものを見たときに、網膜より手前に像を結び、写真でいうピンぼけの状態になります(軸性近視)。
また、レンズの役目をする水晶体の屈折が強いために、網膜より前方に像を結ぶ屈折性近視があります。
近視が急に進んだときには、糖尿病などの病気が原因の場合があるため、注意が必要です。

ほとんどが単純近視です

近視の症状
近くはよく見えるのに遠くがぼんやりして見えにくくなります。また、子供のころからだんだん見えにくくなり、成人になって視力の低下が止まってくるのが「単純近視」です。
一方、「病的近視」とは、子供のころから視力が落ちてきて、成人になっても視力の低下が止まらないものです。また、眼鏡をかけてもきちんと矯正できません。網膜剥離や眼底出血を起こしやすくなります。

近視の治療
眼鏡やコンタクトレンズで、網膜上にきちんと像が結べるように矯正します。また、水晶体を調節している筋肉に緊張を緩める薬を点眼することもあります。

近年では、レーザーによる近視矯正装置が承認され、仕事やスポーツで眼鏡やコンタクトレンズに不自由を感じて、近視の矯正手術を受ける人が増えています。

手術には、次のような方法があります。PRK法は、角膜表面をレーザーで切除する方法で、術後2日ぐらい痛みがあり、視力の安定までに約1週間かかります。
レーシック法は、角膜表面を弁状に剥がし、レーザーで内部の層を削った後、ふたのように戻す方法で、痛みが少なく、回復も早いとされています。

ただし、20歳以下の人、目の病気や全身疾患のある人は近視矯正手術を受けられないことがあり、術後、長期間の経過については、十分に確認されていませんし、老眼が始まるのを早める可能性もあります。

乱視

角膜、水晶体の表面の形が正しい球面になっていないため、外界の一点から出た光線が、眼内で一点に集まらず、凹レンズ、凸レンズのいずれでもはっきりと見えない状態をいいます。
角膜や水晶体のカーブの度合いが異なる正乱視のほか、角膜のけが、炎症、角膜潰瘍などで、角膜の表面がでこぼこになり、光の屈折が不規則になって起こる不正乱視があります。

乱視になるとこんな風に見えます

乱視の症状
軽い乱視では自覚症状はありませんが、気が付くくらいになると、遠くのものが見えにくくなったり、1つの目で見ると物が二重になって見えるようになります。

乱視の治療
軽い乱視ならそのままにしておいてもよいのですが、見え方がおかしくなくても頭痛や目の疲れがあって、それが乱視によるものとわかったら対応を図るべきでしょう。

正乱視には眼鏡かハードコンタクトレンズを用いての矯正が有効です。光の進入方向によって屈折率が違う、特殊なレンズを使用します。たいていは近視や遠視も含まれているので、乱視用のレンズの構造は複雑です。どの面にどの程度の異常があるのか、乱視検査表や角膜計を用いて詳しく検査をしたあとで、その当人にあった乱視用レンズをつくることになります。
不正乱視の場合は眼鏡では対応しきれませんが、ハードコンタクトレンズならばよい視力を得られる場合があります。

老視(老眼)

眼に入ってきた光は、主に水晶体によって屈折させられます。機能正常ならばその焦点は網膜上にあり、そこに像を結びます。レンズの役割を果たす水晶体は柔軟な弾力性を備えていて、遠いところを見るときは薄く、近いところをみるときは厚くなって、焦点距離をうまく調節する働きをしています。

近くを見るときに弾力性が必要となるので、それが失われてしまうと近いところが見づらくなります。これが老視、一般的には老眼と呼ばれる状態で、からだの老化現象の一つであり、水晶体の老化に伴う、避けるのことのできない生理現象です。

老視の症状
屈折力が少し弱くなったときは、少し距離をとれば焦点合わせができるということになります。したがって、老視は本や新聞などを少し離してみるようになることから始まります。また、焦点合わせのため目に余計な負担がかかって、目の疲れ、かすみ、涙が出る、頭痛がするなど、いわゆる眼精疲労の症状も現れてきます。

老視は老化によるものですから、中年以降の人に見られる現象です。一般的にいって、遠視のある人はやや早め(30代後半)に、禁止のある人はやや遅めに始まる傾向があります。
徐々に進行して、次第に屈折力が弱くなり、したがって、次第に本を離す距離が伸びていきます。60〜70歳になると、水晶体の調節力がほぼゼロになるため、老視の進行もそこでストップします。

老視の治療
老視は病気ではなく、治療するという性質のものではありません。水晶体の弾力が失われてしまうと、それを回復する手立てはないので、老眼鏡によって調節するのが唯一の対応法です。
老眼鏡を使い始めてから老視の進行が止まるまでは、1〜2年に1回ぐらいのペースで精密検査を受け、老眼鏡のどを調節していく必要があります。

VDT症候群

VDTとは、ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル(視覚表示端末装置)の略語です。
オフィスのOA化が進むことによって拡大した現代病の一つで、長時間ディスプレイの画面を見続けることによって起こるものです。

症状としては、眼精疲労やドライアイ、頚肩腕症候群などが現れます。長時間の作業をしている最中に、目の奥が押し出されているような痛みを感じたら注意が必要です。そのままにしておくと、腰痛や肩こり、頭痛などからだのいろいろな部分に悪影響が出てきます。

常にディスプレイやTV画面と向かい合う人は、1時間作業をしたら10〜15分くらいの間ディスプレイの前から離れてストレッチ体操を行ったり、散歩をするなどの休憩をとるとともに、1日5〜6時間程度を実作業時間の目安とするのが理想的でしょう。

さらに、画面の向きを常に正面に向けたり、椅子の高さを調節するなどして正しい姿勢で作業する、作業場の周囲の証明が画面に写り込まないようにするなど、環境づくりにも気を配っていれば大丈夫です。

麦粒腫(ものもらい)

まぶたには、まつ毛の根元などに脂分を出す孔(皮脂腺・汗腺)があります。この部分が黄色ぶどう球菌などの細菌に感染し、化膿性の炎症を起こしたのが麦粒腫という病気で、「ものもらい」と呼ばれることもあります。

抗生物質の内服や点眼で治療します

まぶたや、その周囲を不潔にしていると、細菌に感染しやすくなります。プールに入ったあと、よく洗わなかったり、汚れた指や手で、まぶたをこすったりしていると、かかりやすくなります。
また、糖尿病や貧血、睡眠不足などが誘引となることもあります。これらの病気によって細菌に対する抵抗力が低下してしまうからです。

麦粒腫の症状
はれぼったい、なにかできている、などのまぶたの違和感が最初のサインとなります。
次第にまぶたが赤くはれ上がり、強いかゆみや痛みを感じるようになります。たいていは炎症の部位が一点に集約されていって、やがてそこに膿がたまります。この膿が出て、朝起きると上下のまぶたが膿でくっついてしまって開かないほどになることもあります。しかしその頃は、病気はほぼ終わりの時期です。

麦粒腫の治療
局所の安静を保ち、抗生物質軟膏を塗ります。化膿がひどいときには、眼瞼上から初期には冷罨法(れいあんぽう=冷やす)、化膿しかけたら温罨法(おんあんぽう=温める)を行う場合もあります。

重症の場合は抗生物質の投与が必要なこともあります。内麦粒腫は、まぶたの内側から切開しないとなかなか治りにくいことがあり、爪で無理に膿を押し出したために、ひきつれなどを残すこともありますので、医師の診察を受けましょう。

排膿後、膿の一部が結膜などに残り、急性の結膜炎や眼瞼縁炎を起こすこともあります。麦粒腫を繰り返す場合には、治ったあと、1週間くらい抗生物質の点眼を続けます。

飛蚊症

視野の中に蚊や糸くずのような浮遊物がぼんやりと現れ、視線を動かすとそれらも一緒に動いて見える状態です。専門的には「硝子体混濁」といいます。
浮遊物の数に変化がなければ生理的なものですので心配ありませんが、急に数が増えたときは、放置すると視力障害や視野狭窄が起こることがあります。

飛蚊症の画像です

飛蚊症の原因
硝子体というのは、眼球内部の容積の大半を占めるゼリー状の組織で、眼球の形を保ち、角膜から入ってきた光を網膜へ通す働きをしています。この部分ににごりや出血があると、その影が網膜に映って、何かがちらつくように感じるわけです。

濁りの原因の一つである硝子体剥離は、硝子体が眼底からはがれて前方へ移動してしまった状態です。本来は光を通過させるだけの硝子体が網膜に影を落とします。後部硝子体膜の厚い部分が、影としてめるのです。

ほかにも、硝子体のにごりは、老化や極度の近視や先天的な原因でゼリー状の硝子体が液状化してしまういわゆる硝子体変性のほか、ぶどう膜炎などの炎症が原因であったり、網膜剥離の前兆としてみられることもあります。

飛蚊症の治療
まず原因となる病気を治療します。原因となる病気が治っても、硝子体の混濁がとれるまでには1年以上かかる場合もあります。
網膜剥離や網膜に穴があいて起こる場合には、光凝固などの手術を必要とします。ぶどう膜炎や硝子体出血などで強い硝子体混濁が起これば手術しますが、視力障害を残す場合もあります。

白内障

白内障とは、瞳孔にある水晶体に濁りが生じて、視力が低下してくる病気です。
生まれつき水晶体がにごっている先天性、加齢とともに水晶体が変性して白濁する老人性、怪我などがもとで水晶体が濁る外傷性の3つに大別されます。そのほか、副腎皮質ステロイドなどを長期利用した場合の副作用や、糖尿病の合併症として起こりやすいことが知られています。

このように白っぽくかすんで見えます

白内障の症状
水晶体には血管も神経も通っていないので、痛みやはれ、充血などの症状が現れません。そのため、視力にはっきりと障害が出てくるまでは、なかなか病気の進行に気づかないことも多いようです。
濁りが生じるといっても、わずかな混濁はむしろ自然な状態でもあり、高齢者ならば誰にでも見られることで、視力への影響はほとんどありません。この小さな濁りが次第に数を増し、集合してひろがりはじめると、やがて視力が低下し、水晶体の白濁が外からもわかるようになります。

自覚症状としては、初期のうちは視力の衰えよりも、明るいところに急に出ると著しくまぶしさを感じる、といったところからはじまり、これが進行すると目がかすむとか、明るい戸外へ出るとしばらく目が見えなくなるといった状態になって、やがて視力が衰え、最終的には明るいくらいを感じ取れるだけになります。

白内障の治療
進行を予防するためには、抗酸化剤の点眼などを行ないます。進行した場合は、混濁した水晶体の外側の袋を残したまま、小さな切開から中身だけを吸引して除去し、折りたたんだ眼内レンズ(人工水晶体)を挿入する手術を行ないます。

白内障の手術時間は局所麻酔で10〜30分ほどです。最近では日帰りで受けられるケースも増えています。手術直後は充血、目やになどの症状があるが、1〜2週間ぐらいでなくなります。
眼内レンズは水晶体のようにピントを調節する機能はないため、手術後に眼鏡で調節する場合もあります。

緑内障

緑内障とは、眼球の内圧(眼圧)が異常に高くなるか、その眼に適当な眼圧以上の値になって、視神経が圧迫されて障害を起こし、視野が狭くなったり、視力が低下してくる病気です。
緑内障には急性と慢性があります。多くは慢性で40歳以上の17人に1人が緑内障という調査結果があります。症状が徐々に進行することに加え、普段は両目でものを見えているために、片目の視野に60%の欠損がみられて初めて緑内障に気がつく人もいるほどです。
急性の場合は、頭痛や眼痛、視力の低下、吐き気などが急激に現れ、すぐに手術をしないと失明する恐れがあります。

視野の欠損が起こります

緑内障の原因
大きく分けて、原発性、続発性、先天性があります。
最も多いのは、慢性で原発性の緑内障で、眼圧を一定に保っている房水という液体の流れが妨げられ、眼圧が高くなったために、視神経が圧迫されて起こります。
続発性の緑内障は、ぶどう膜炎などの目の病気が原因で、房水の流れが障害されて起こります。
先天性の緑内障は、房水が目の外へ排出される隅角という場所に生まれつきの形体異常があって起こります。

急性の緑内障は、隅角がふさがって房水の流れが妨げられることが原因で起こります(閉塞隅角緑内障)。また近年、眼圧は正常なのに視神経が障害される正常眼圧緑内障が多いことがわかってきました。家族に緑内障患者がいる人、高血圧・糖尿病がある人に起こる確率が高いとされています。

緑内障の診断
眼圧検査や眼底検査、視野検査などが行われます。ただし、急性緑内障は自覚症状や目の充血、角膜の濁りなどから容易に診断できます。慢性緑内障は視野の精密検査をするとともに、時間を変えて何度も眼圧を検査して、1日の変動を把握することが必要となります。

緑内障の治療
急性緑内障は、点眼薬や注射、内服薬などを用いて眼圧を下げてから、房水の流れをよくするためのレーザー治療を行ないます。慢性緑内障の場合は、点眼薬とレーザーや手術で眼圧を下げるようにします。

緑内障にかかると失った視神経を回復させることは不可能です。治療は眼圧を正常範囲に下げることで、視野欠損を最小限にとどめることを主に考えます。

黄斑変性症

黄斑変性症とは、視力が低下して、ものゆがんで見えたり、視野の中心部分が暗く見えたりする病気です。進行すると中心部は全く見えなくなってしまいます。先天性のものと老化によるものに分かれますが、老化によるものは加齢黄斑変性症と呼ばれるもので、黄斑部の網膜の下の脈絡膜から血管が出てきて、ときに出血します。

黄斑変性症

黄斑変性症の原因
網膜の中心部は黄斑とよばれ、ものを見るときに最も大切な働きをします。この黄斑の働きによって私達は良い視力を維持したり、色の判別を行ったりします。

黄斑変性症は、網膜の中央にある黄斑部の、視細胞が機能低下を起こすものです。
萎縮方と血管新生型に大別できます。症例として多いのは萎縮型で、このタイプは、網膜色素上皮細胞が衰えて萎縮し、さらに老廃物がたまってその部分を傷つけることで生じるものです。

血管新生型は、脈絡膜から発生した余分な血管(新生血管)が、網膜の下で出血し、浮腫などを起こすもので、思い視力障害の原因になります。

黄斑変性症の治療
眼底検査を行なって病気のタイプを特定します。ただし、萎縮型には決定的な治療法がないのが現状です。新生血管が中心窩外にあればレーザー光凝固をおこないます。
中心窩にとても近い場合には新生血管を抜去する方法もあります。中心窩に及んでいる場合には、最近は光線力学的療法が行われます。


 
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